特許出願中の弁理士の名刺を特許請求の範囲に書くと

2つ折りの名刺に関して特許出願をしています。

発明の特徴については、以前「特許出願中の弁理士の名刺、発明の特徴」で書きました。

今回は、この特徴を特許出願資料の特許請求の範囲に書くとどうなったかを説明します。ちなみに、特許請求の範囲は特許の権利範囲を決める重要な書類です。

特許請求の範囲の記載

【請求項1】
長方形の第1のカード部と、前記第1のカード部と略同一形状の第2のカード部とからなり、前記第1および前記第2のカード部が長辺で連なり、該長辺で折り曲げ可能な折りたたみ型の名刺であって、
前記第1のカード部と前記第2のカード部とは、開状態において、両一方の面を共通の面にして連なっており、かつ、両他方の面を共通の面にして連なっており、
前記第1のカード部は、前記長辺側を識別の上方向として、前記一方の面に少なくとも個人の名称が記載され、かつ、前記長辺側を識別の上方向として、前記他方の面に少なくとも他の情報が記載され、
前記第2のカード部は、前記長辺側を識別の上方向として、前記一方の面に少なくとも他の情報が記載され、かつ、前記長辺側を識別の下方向として、前記他方の面に他の情報が記載され、
前記長辺は、前記第1のカード部と前記第2のカード部とを切断容易にするミシン目加工が施されている、折りたたみ型の名刺。

自分で書いておきながら、長いくて読みにくいと感じます。
ただ、別にわざとわかりにくく書いているわけではないのです。

「折りたたみ型の名刺で、折り目にミシン目加工がされている」と簡単な記載ができそうな気もします。しかし、それでは特許として認められないので、上記のように長々と記載するわけです。

発明の特徴を表現する

特許請求の範囲は特許の権利範囲が決まる重要な書類ですので、発明の特徴が表現されていなければなりません。

今回の発明の特徴は、
①2つ折りの名刺の折り曲げ部にミシン目加工をされていて、切り取れること
②切り取ったときに名前の入ったカードの上下方向が一致していること

弁理士名刺図1

「折りたたみ型の名刺で、折り目にミシン目加工がされている」という記載では、②の発明の特徴が表現されていません。

発明を明確に表現する

明確に表現とは、言葉の意味が確定されて発明が特定できることです。
(この表現がすでにややこしい)

例えば、「名刺」といっても、いろいろなものがあります。
丸いようなものもあれば、一部を人型に切り抜かれたようなものもあるにはあります。
そのような名刺だと、どこが折り目になるのか確定できず、発明が特定できないことになります。

また、例えば、折りたたみ型の名刺には、
2つ折りのもの以外にも、3つ折り、4つ折りのようなものもあります。
この場合、すべての折り目にミシン目が入っているのか、一部の折り目にミシン目が入っているのか確定できず、発明が特定できないとされる可能性もあります。

絵になること

「請求の範囲に記載されている通りに書けば絵になること」と、まだ特許出願資料(明細書)を書き始めたころに教えられました。

請求項1の記載に沿って絵を描くと、こういう絵が描けると思います。
折りたたみ名刺
発明の特徴が表現され、かつ発明が明確に表現された状態が「絵になる」ということだと理解しています。

しかし、「絵になること」は基本事項で、その上で「広い権利範囲」を獲得することが特許では重要になります。その話は、また今度書きたいと思います。

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