2016年5月14日「オレオ」は中国、「リッツ」はインドネシアで製造へ

弁理士の山本が知財ニュースをポイントを絞ってわかりやすく解説します。
中小企業専門の特許活用サポータ 弁理士の山本英彦です。

「オレオ」は中国、「リッツ」はインドネシアで製造へ (朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ5F4K4NJ5FULFA01H.html

クラッカー「リッツ」「プレミア」、クッキー「オレオ」について、
山崎製パン子会社からモンデリーズ・ジャパンに販売が引き継がれるようです。
上記3製品は、ヤマザキナビスコが、モンデリーズ・インターナショナル(米)商標許諾の下
国内で製造販売してきたそうですが、8月で契約が切れるため、
その後はモンデリーズ・ジャパンが扱うようです。
モンデリーズは、上記3製品を海外で製造し、日本国内で販売するようです。

この記事のポイントは、以下の2つだと思います。
(1)モンデリーズ・インターナショナルからヤマザキナビスコへの商標許諾
(2)製品の海外製造と国内販売

(1)モンデリーズ・インターナショナルからヤマザキナビスコへの商標許諾
商標権はライセンス(通常使用権の許諾)することができます(商標法31条)。
モンデリーズ・インターナショナルは、日本国内で商標権を取得しており、
その商標権に基づいてヤマザキナビスコへライセンスし、
その対価(ライセンス料)をヤマザキナビスコから得ていたと思われます。
(通常、使用許諾の契約は公開されないので、あくまでも推測です。)

米国のモンデリーズ・インターナショナルが日本で収益をあげるためには、
直接製品を作ることもできますが、日本の企業に作らせてライセンス料を取る方が、
投資が少なくて済みます
このように、海外進出の際に、進出先で商標や特許を取得し、
ライセンスする形で収益を上げるモデル業務提携の一形態としてあります。

なお、ライセンス(通常使用権)は、他者を排除する権利にはなりませんので、
もしも「オレオ」の模倣品(例えば、「オレノ」という商品名のココアビスケット)がでてきた場合、
ヤマザキナビスコは模倣品に対する訴訟を起こすことはできず
モンデリーズ・インターナショナルにお願いして訴訟を起こしてもらうしかありません。

(2)製品の海外製造と国内販売
モンデリーズ・インターナショナルとモンデリーズ・ジャパンは別法人ですので、
今後、モンデリーズ・ジャパンがモンデリーズ・インターナショナルから、
商標権の使用許諾ライセンスを受けることになるのだと思います(黙示の許諾を含む)。
これに基づいてモンデリーズ・ジャパン国内販売をすることになります。
海外製造モンデリーズ・インターナショナルが行うようですので、
使用許諾等の問題は生じません

今回にニュースを知ったかぶって話すためには、
リッツ、プレミア、オレオを見たときに、
「クラッカーの「リッツ」「プレミア」やクッキーの「オレオ」は、
アメリカのモンデリーズが日本でも商標を押さえているんだよね~
でいいと思います。

このニュースのさらに詳細な解説は、
2016年5月14日:「オレオ」は中国、「リッツ」はインドネシアで製造へ」をご参照ください。