2016年6月30日:商標乱発、国全体の1割出願 男性「あくまでビジネス」

知財関連ニュース:2016年6月30日

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商標乱発、国全体の1割出願 男性「あくまでビジネス」 (朝日新聞デジタル)
http://www.asahi.com/articles/ASJ696FPFJ69ULFA02L.html

以前、解説したニュース「2016年5月17日:自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ」の続報です。

以前の解説では触れませんでしたが、業界(?)では有名な話です。
特定の出願人(以下「本件出願人」)が、国内の商標出願の1割に及ぶ計1万4786件の商標出願を行っているという内容です。

本件出願人のやっていることは、「法律」には反していないかもしれませんが、「法律の趣旨」には反しています
商標法の趣旨は、「商標を保護(登録)して商品に表示することで、商標の出所が明確になり、また商標の付された商品の品質が保証されることで、消費者等の円滑な経済活動が担保され、商標権者の業務上の信用の維持が図られ、これにより産業の発達に寄与し、一方で需要者の利益を保護すること」です。
本件出願人の行為から、これらの考えをくみ取ることはできそうにありません。

本件出願人が「あくまでビジネス」ということをいっているようですが、「ビジネス」なら何をやってもいいのか?と思ってしまいます。
ただ、この手の行為は、規制をしようとしても抜け穴を次々とついてくるので結局はイタチごっこになってしまう気もします。
例えば、「本件出願人が出願人の商標出願については運用マターで料金未納による出願却下の時期を早くする」などの対応を思いつきますが、それだと本件出願人は名義を別の人(別法人等)にして出願してくることが想定されます。
特許庁も「商標が先に出願されていても取り消される場合があるので、あきらめないで」といった告知をしていますが、本件出願人を直接取り締まる対応は難しいかもしれません。

ただし、本件は、決して褒められた行為ではありませんが、商標の重要性を考え直す機会でもある気がします。
例えば、もし、ある商標を使用している人がいて、本件出願人がその商標を出願してしまい、ライセンスを受けなければ困るような場合、それなら本件出願人より先に商標出願をしておくべきだったとも考えられます。
使用するなら先に商標登録をしておくというのは、商標法の趣旨にもかなっています。

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