技術の視点とアイディアの視点から発明について考える。

特許出願のもとになるのは発明です。
特許を活用して中小企業の利益を守る、中小企業専門の特許活用サポータ 弁理士の山本です。

発明とは、技術的思想の創作であって高度のもの(特許法2条)と定義されています。

この定義から発明を次の2つの視点からの見ることができると考えています。
①技術の視点
②思想(アイディア)の視点

企業(製造業)では、一般に、技術開発をして、
その過程で生まれるのが発明だと考えられていると思います。
これは①技術の視点からの発明に分類できると考えます。

他方で、事業計画(販売戦略等)を考え、そのうえで事業(市場)の防衛目的で、
特許を取得するために発明することがあると思います。
これは②アイディアの視点からの発明に分類できると考えます。
なお、ビジネスモデル特許と呼ばれるものは②に該当することが多いと思います。

もちろん、①と②に全てが分類できるわけではなく
例えば、部品会社が、部品を売るために部品を使った製品に関して特許をとるときのように、
①と②の両方の発明になることもあると考えます。

重要なのは、①技術の視点だけでなく、②アイディアの視点からも発明を検討することです。

一昔前は、良い製品を作ればその製品は売れる時代でした。
こときは、①を主流に考え、良い製品に特許を取れば、必然的に市場が守れました。

しかし、時代は変わり、良い製品を作っても販売戦略等がなければ製品が売れなくなりました。
こうなると、②を主流に考え、製品を売るための戦略に特許を組み込んでいく必要があります。

特に、下請けを抜けて自社製品を作ろうとする中小企業は、
自社の技術を使ってよい製品を作る(技術の視点)だけでなく
その製品の事業戦略(アイディアの視点)も重要と考えて欲しいと思います。

この記事を書いた人

山本 英彦