中小企業の知財にいたときは、特許侵害訴訟も経験しました。
侵害訴訟の期間は、モデルケースとして第一審(地方裁判所)で1年くらのようです。
私の経験したものは、侵害論だけで1年以上かかっていました。
(侵害訴訟は、侵害論→損害論の順で進みます。)
その一年間は、毎月1~2回、弁護士さんや弁理士さんとの打ち合わせがあり、
打ち合わせの度にいろいろ宿題を出され、忙し日々を過ごしていました。
侵害訴訟の期間は1年だとしても、
裁判に入るまでには、通常、交渉期間もあると思います。
また、侵害訴訟に無効審判が絡んでくると期間も長くなりますし、
対応のための業務量も増えます(単純に2倍ではありませんが。)。
私の経験した侵害訴訟も無効審判がカウンターで来たので、
対応のための業務量は相当なものになりました。
感覚的には、月の業務量の1/5くらいは訴訟対応に使っていた気がします。
侵害訴訟の費用に関する記事「私の経験した特許侵害訴訟(費用)」でも書きましたが、
企業としては訴訟をしないで済むなら、それに越したことはありません。
訴訟しないなら特許を取る意味があるのか?
いろいろ答えはあると思います。
ただ、裁判で勝利することだけが特許の活用ではないことを忘れてはいけません。
特許の活用方法は、企業や、案件によりまちまちです。
裁判をチラつかせつつ、交渉を有利に進めることも、
侵害訴訟を経験してから、実行できるようになりました。
これも1つの知財戦略だと思います。
訴訟に発展しそうな交渉をするときに、訴訟期間を意識しておくと、
また少し違った戦略(交渉方針)を思いつく場合もあると思います。
(ただ、裁判をすると本当に勉強になることが多くあるので、知財担当者は一度は経験するとものすごいレベルアップできると思います。)