私の以前勤めていた会社では、特許報奨金制度が整備されていました。
中小企業では珍しいと思いますが、会社が特許を経営に活かそうとしており、上手い制度設計がされていました。
報奨金の種類は3つ
(1) 出願時報奨金:5,000円
発明者が出願時にもらえる。
(2) 登録時報奨金:10,000円
発明者が登録時にもらえる。
(3) 実績報奨金 :ライセンス料と仮想ライセンス料の10%
発明者が4%、全従業員が6%を按分してもらえる。
社員が100人として、ライセンスと仮想ライセンスで1000万円が算定されると、40万円が発明者、従業員は一人当たり6000円
一番面白いのは、発明者でない全従業員ももらえる制度設計
発明した人以外にも、助言をした上司、実験を手伝った同僚、お茶を入れてくれた事務員等々まで発明に貢献しているとの考えの下、こういった制度設計になっていました。
特許について何かよくわからなくても、特許に関係するとお金になるという印象を持つことが重要で、特許のことがよくわからなくても、全社員が特許について興味をもつようになり、会社全体の特許に対する意識は自然と高くなっていました。
報奨制度の費用対効果
全員が特許の意識を高く持つことで、みんなが何か発明してみようとか、特許を使って製品の売り方を考えようとか、いわゆる特許戦略の根幹が築かれていたように感じます。したがって、特許が自然に会社の売り上げに貢献するようになっていました。
特許報奨制度は、会社としては費用が発生するものですが、しっかりした考えのもとに制度設計をすれば、費用対効果は決して悪くないと感じました。