私の経験した社内回覧用特許レポート

中小企業の知財部にいたときは、特許の月間レポートを回覧していました。

回覧対象に応じて、詳細版簡易版の2つに分けていました。
詳細版は、役員、開発部の全員、他部門の課長以上で、簡易版はそれ以外の社員全員でした。

簡易版は、最新の知財ニュース、保有する自社特許情報、知財クイズなど、
できるだけ簡易な内容で、知財の知識はいらないけれど、
知財を身近に感じられる内容になるように意識しました。

詳細版は、前月の自社出願、前月公開となった競合他社の情報など、
経営、開発を考えるうえで必要になりそうな内容になるようにしました。

知財部では毎月、競合他社の知財情報を調査するので、
日々の特許調査は、このレポート作成と合わせて行い、
調査の内容をレポートに反映させるようにしていました。

競合他社の特許調査は継続的にしたほうがよいことは当然なのですが、
忙しいとなかなか手が回らないこともあります。
しかし、定期的に社内回覧するレポートに関係させることで、
手が回らないとはいえなくなります。

レポート作成(調査を含む)で丸2日くらいかけていたので、結構な工数になりましたが、
レポートを回覧していると、他部署との交流(飲み会)の時などの話題にもなりました。
(あの記事は面白かったとか、あの特許はどうなったのとか、質問されました。)

また、回覧を継続していくと、明らかに社内の知財レベルが上がるのがわかりました。
簡易版だけの回覧対象者から詳細版を見せてほしいといわれたこともありました。
こんなとき、知財担当者として冥利に尽きます

地道な活動が社内の知財レベルを上げます
特許レポートの回覧もその1つになると思います。

この記事を書いた人

山本 英彦