特許侵害訴訟の費用についてまとめます
特許侵害訴訟に関わった経験から思うことは、
・訴訟は、本当に勉強になるということ
・訴訟は、本当にお金がかかるということです。
本当に勉強になることの詳細は別の記事で書くことにして、
今日は、本当にお金がかかるということについて書きます。
訴訟では、以下の費用がかかります。
(1)裁判所費用
裁判所に払う費用で、訴状に貼る印紙代になります(したがって、原告側が支払う)。
訴訟の対象となる製品(の売上等)に関係します。
(2)代理人費用
弁護士や弁理士に支払う費用で、
多くの場合は着手金と成功報酬になります。
着手金は、代理人によって大きく変動しますが、数百万~だと思います。
成功報酬は、判決が出て勝利した場合と、和解の場合に発生します。
勝利した条件または和解した条件によって大きく変動します。
上記の他にも資料のコピー代、交通費等も実費として企業が負担します。
これがなかなか馬鹿にならない額になります。
(3)裁判に関わる人の人件費
キャッシュアウトではありませんが、知財担当者や技術者の人件費も必要になります。
私の場合、裁判中は1カ月のうち3~5日は裁判の対応に充てていました。
私の日当が5万円としても(安い?)、1カ月の間に15~25万円、
裁判が1年続いたとして、180万~300万円になります。
これに加えて、技術者の人にも打ち合わせ参加や製品の分析に協力してもらったので、
上記以上の人件費がかかっていることになります。
総額
少なく見積もっても1000万円は超えてますよね。
改めて振り返ると、裁判はお金がかかるな~と感じます。
原告(特許権者)側なら裁判に勝って損害賠償や和解金で収支がプラスになることもありますが、
被告側なら勝っても裁判から得られる金銭はありません。
訴えられることがないように知財戦略を考えることが重要です。
また、特許権者側だとしても、経営的視点で訴訟の損得(コスパ?)を考えることが重要です。
例えば、裁判は最後の手段にとっておいて、
裁判以外の知財活用法を考えることもありだと思います。
(でも、裁判をすると本当に勉強になることが多くあるので、知財担当者は一度は経験するとものすごいレベルアップできると思います。)