保険制度は転ばぬ先の杖ですね。
特許を活用して中小企業の利益を守る、中小企業専門の特許活用サポータ 弁理士の山本です。
海外での知的財産訴訟、中小向け保険制度 特許庁 (日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H4M_Y6A600C1PP8000/
特許、商標(おそらく意匠や実用新案も含む。著作権は?)の知的財産権の侵害で訴えられた場合に、
保険に加入しておけば、訴訟にかかわる費用が保険金として支払われる制度のようです。
保険金として支払われる費用の中には、
弁護士への相談や通訳にかかる費用、証拠集めの調査費なども含まれるとのことです。
海外での訴訟は、弁護士費用が高額な場合もあり、
また資料の多くが外国語になるので、その翻訳費用も高額になります。
したがって、国内の訴訟でも多額の費用がかかりますが、
海外での訴訟はその何倍もの費用が必要になります。
したがって、今回の保険がどこまでそれらを負担してくれるかはわかりませんが、
かなり頼りになりそうな制度だと感じます。
さらに、保険料の半額を国が負担してくれるとなると、
海外進出しようとする中小企業にとって、心強い制度だと思います。
ただ、忘れてはいけないのは、保険で訴訟の費用を負担してもらえても、
訴訟で負けると差止を受けることになる場合がほとんどですので、
結局は撤退することになってしまうということです。
したがって、海外に進出する際には、これまでと同様に、特許権等を侵害しないように、
先行技術調査等の事前調査をしっかりしておくことが重要だと思います。
この保険はあくまでも、事前調査をしていて侵害はしていないのに、
なんくせを付けられて訴訟に発展するような場合に効果を発揮するものだと考えます。
(中国では、かなり強引に実用新案で訴えられるというような話も聞きますので、
そのような場合に役立ちそうだと思いました。)